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    ローレシアの王子 カイ (31)
    サマルトリアの王子 ナオ (33)
    ムーンブルクの王女 ユキ (26)
    未分類 (2)

     

    記事(上に行くほど新)

    ナオ65.放浪の果てに。
    ユキ64.月のかけら。
    ナオ63.テパの朝。
    カイ62.山奥の街へ。
    ユキ61.雨露の糸。
    ナオ60.いらっしゃいませぇ。
    カイ59.コスプレ男。
    ユキ58.一番星になって
    ナオ57.何してたの?って聞いてみた。
    ユキ56.魔道士の杖。
    カイ55.強すぎる。
    ナオ54.祈りの指輪。
    ユキ53.専用の。
    カイ52.怪しい老人。
    ナオ51.逃げ出してしまったんだ。
    カイ50.ヤミ。
    ユキ49.ペルポイでお買い物。
    ナオ48.世界樹。
    カイ47.抜けない。
    ユキ46.ちんどんやになりました。
    ナオ45.怪しい神父。
    カイ44.複雑。(50expressions-16)
    ユキ43.タシスンの犬。
    ナオ42.強い者が好きだ。
    カイ41.時事ネタも書きます。(パラレル)
    ナオ40.地図を広げて。
    カイ39.ぱぷぺぽ係、初仕事。
    ユキ38.どうして(50expressions-23)
    カイ37.まいったな(50expressions-29)
    ナオ36.任命。
    ユキ35.取引。
    カイ34.竜王の城にて。
    カイ33.お隠れになりました。
    ナオ32.ラダトームの城では。
    カイ31.ゆらゆら。
    ナオ30.無理してない?
    ユキ29.北へ行こうらんららん。
    カイ28.ドラゴンの角。
    ナオ27.砂漠を越えて。
    ユキ26.遠回りの理由。
    カイ25.内緒話。
    ユキ24.次の目的地はどこ?
    ナオ23.風の吹く塔。
    カイ22.呪文かぁ。
    ナオ21.サマルトリア魔法フェスタ。(パラレル)
    ナオ20.だってぎゅーだよ。
    カイ19.王女の威厳。
    ユキ18.ありがとう。
    ナオ17.ぼくがやらなきゃ。
    カイ16.調子が狂う。
    ナオ15.もっと強く。
    カイ14.ラーのかがみ?
    ナオ13.認めたくないけど。
    カイ12.何を見たとしても。
    ユキ11.きみ、ひとりなの?
    ナオ10.かわいいなぁ。
    カイ9.ムーンペタへ。
    ナオ8.ローラの門を通るぞ。
    ユキ7.兵士との出会い。
    ナオ6.銀のカギの洞窟。
    ユキ5.ここはどこだろう。
    ナオ4.いやーさがしましたよ。
    カイ3.ったく、どこほっつき歩いてるんだあのアホは。
    ナオ2.夜逃げのように出発。
    ユキ1.ムーンブルク陥落。

     

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    命は明日枯れるかもしれないと思えば 今という瞬間の重みを知るだろう
    ラーのかがみ
    ムーンブルクの王女 ユキ
    18.ありがとう。

    最近日課となりつつある
    ムーンブルクの兵士の彼との午後のひと時を
    ぼんやりと過ごしていたら、
    向こうから見覚えのある人影が歩いてくるのが見えた。
    歩いてくるのはナオ、後ろの方でカイが木にもたれて立っていた。

    「おいでー」
    ナオが手招きしてる。
    兵士が促すようにわたしをなでたので
    わたしはナオのもとに走っていった。
    「くーん」
    「ちょっと待っててね」
    そう言うとナオはリュックをがさごそと漁って
    何か大きくて平べったいものを出した。

    「わう?(それなあに?)」
    「このかがみを見てごらん?」
    え?
    思わず後ずさった。
    「きゃん!(嫌!)」
    「え?どうしたの?こっちにおいで」

    犬の姿になってからのわたしは
    極力自分の姿が映るものを避けて過ごしてきた。
    商店の窓、泉の水、水たまり…
    事実だと言うのはわかっていてもやはり
    自分が犬であるということを認めるのには抵抗があった。
    どうしてナオはわたしにかがみなんて見せようとするの?
    わたし、かがみなんて見たくないわ。

    ナオに背を向けて兵士の元に走る。
    兵士がしゃがんでわたしを迎えようとしていたから
    その腕に飛び込もうとした。
    たぶんわたしがいじめられていると思ったのだろう。
    でも、後ろからナオの大きな声がした。

    「ユキ!」

    ぴたっ
    足が止まった。
    今、ナオ、ユキって呼んだ?
    もしかして…わたしのこと…分かってくれたの?
    あまりのうれしさに泣きそうになる。

    ゆっくり振り返ってナオの顔を見上げると
    ナオはにっこり笑ってもう一度
    「ユキ、おいで」
    確かにそう言った。

    一歩一歩近づいてくるナオ。
    あまりのことに混乱して体が動かない。
    ナオはわたしの目の前に来るとしゃがんで
    もう一度さっきのかがみを出して言った。
    「これを見てごらん。
     ぼくが君のことをもとの姿に戻してあげるよ」

    きっと…何か特別なかがみなんだわ。
    横目でちらっと見ると高級そうな縁取りが見えた。
    怖いけど…見てみよう。

    ゆっくり目を開けて、鏡のほうに顔を向けた。
    恐る恐るかがみを覗き込むとそこには…
    人間の姿のわたしが映っていた。
    …え?
    もう一度見ようと目を見開いたら
    かがみがまぶしい光を放って
    あっという間にわたしを包んだ。

    あぁ、このあたたかい光…とても気持ちがいい。
    なんだか…懐かしい気がする…何だろう…?

    ぱりーん!
    目の前のかがみが砕け散った。
    破片が飛んでこないようにとっさに手で顔を覆った。

    「…え?」
    今わたし、何をした?
    手が…動く。
    ぺたぺたと腕や顔や頭を触ってみた。
    「…夢じゃ…ない」
    足元を見ると見慣れたわたしの足が見えた。
    うれしくて思わず涙が出てきた。

    光がおさまってだんだん周りが見えてきた。
    ナオの顔が見えた。満面の笑みを浮かべている。
    この人が…わたしをもとの姿に戻してくれたのね。
    感極まってナオの首に抱きついた。

    「え?え?」
    「ありがとう…ありがとう…」
    涙が溢れて声がうまく出ない。
    でも、これだけは伝えたくてずっと
    ありがとうを繰り返した。

    戻れた…。
    犬の姿から人間に戻れたこの日。
    わたしはこの日を一生忘れないだろう。
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