城内にまだ情報があるかもしれない。
そう思った俺たちはもう少し探索をすることにした。
とりあえずかつて中庭であったであろう場所を目指した。
部屋の隅に人魂が漂っていた。
ムーンブルクの兵士だった者だろうか…?

…ここから…東の地に…
…4つの橋が見える…小さな沼地が…あるという…
…そこには…ラーのかがみがっ!
…これを伝えるまで…わたしは…死にきれぬのだ…。
「ねえカイ、ラーのかがみってなにかなぁ」
「…さあ?聞いたことないな。」
「でもきっと大事なものなんだよね」
「…そうだろうな。」
再び城内の探索を開始した。
あと探していないのは…地下室だけか。
薄暗い地下室への階段を下りた
!
兵士がいる。まだ生きているみたいだ。
急いで駆け寄る。
「おいっ、大丈夫か?」
…ひどい傷を負っている。
息も絶え絶えな彼が何か語り始めた。
声が聞き取りづらいので、彼の口元に耳を寄せる。
「姫様は呪いで姿を変えられ、どこかの町に…
わたしは…姫様をお守りすることができなかった…」
ぶわっ
いきなり彼の体を炎が包む。
「あぶない!カイ、離れて!」
ナオに強く手を引かれ、後ろに下がった。
炎の中から彼の声が響いた。

「ラーのかがみがあれば…姫様をもとの姿に戻せる…!」
激しい炎はやがて消え、さっきまで兵士の姿をしていた彼は
ムーンブルク王のように人魂となった。
…姫様を…姫様を頼む…
彼の悲痛な呟きが地下室にこだました。
ラーのかがみを手に入れなければならない。
新たなる目標と希望を手に
俺たちはムーンブルクの城をあとにした。