さて、カギも手に入れたし
今度こそローラの門を通るぞ。
いいよね?いいよね?
「…あぁ」

ふたり揃っていたから今度は兵士も
すんなりと通してくれた。
よかったよかった。
先へ歩いていくと下に下りる階段があった。
階段を下りていくと薄暗い洞窟に繋がっていた。
やだなぁ、なんだかじめじめするや。
お、右側に明かりが見えるぞ?
この先にいくときっとムーンブルクに出るんだ。
ぼくは思わず走り出していた。
「まてっ!」
後ろからカイがどなる声がした。
するするっ
いきなりぼくの足元から何かが這い上がってきた。
「うわあぁ!」
キングコブラだ。

2体のキングコブラがぼくの足に絡みつく。
「ナオ、そこを動くな!」
動くなったって…
うわああ、腰のあたりまでのぼってきたっ。
ちくっ
げ、足首を噛まれたぞ。なんだかくらくらする。
あれ…毒にかかっちゃったかな…
なんだか気が遠く…
足が立たなくなってしりもちをついてしまった。
キングコブラはどんどんぼくの体をのぼってくる。
二股に分かれた舌がちろちろと動くのが見える。
「わああぁぁぁ!」
ずばっ
え?
見るとコブラたちは全部真っ二つになっていた。
カイが全部倒してくれたみたいだ。
カイがすっと手を差し出した。
その手を握ってやっと立ち上がる。
「…大丈夫か?」
「あ、うん…ありがとう」
「…毒」
「あ、ほんとだ。ちょっとまっててね。毒消し草あったっけかなぁ」
「…覚えたって言ってなかったか?」
「そうだった!すっかり忘れてた」
赤黒い血が流れている足に手をあて精神を集中する。
「
キアリー」
すぅっと毒が引き楽になる。
「…さて」
「ん?」
ごんっ
いきなり殴られたぞ。しかもグーで。痛ぁぁ。
「な、なにすんだよっ」
「馬鹿野郎。ひとりで先に行くからだ。危ないだろ」
「…ごめん」
結局さっきの明かりの先は離れ小島への出口、つまりハズレだった。
残念。
入口から長い通路をまっすぐ歩いてようやくぼくたちは
ローラの門を抜けることができた。