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    BBS変えました。前のはこちらです。

     

    語り手

    ローレシアの王子 カイ (31)
    サマルトリアの王子 ナオ (33)
    ムーンブルクの王女 ユキ (26)
    未分類 (2)

     

    記事(上に行くほど新)

    ナオ65.放浪の果てに。
    ユキ64.月のかけら。
    ナオ63.テパの朝。
    カイ62.山奥の街へ。
    ユキ61.雨露の糸。
    ナオ60.いらっしゃいませぇ。
    カイ59.コスプレ男。
    ユキ58.一番星になって
    ナオ57.何してたの?って聞いてみた。
    ユキ56.魔道士の杖。
    カイ55.強すぎる。
    ナオ54.祈りの指輪。
    ユキ53.専用の。
    カイ52.怪しい老人。
    ナオ51.逃げ出してしまったんだ。
    カイ50.ヤミ。
    ユキ49.ペルポイでお買い物。
    ナオ48.世界樹。
    カイ47.抜けない。
    ユキ46.ちんどんやになりました。
    ナオ45.怪しい神父。
    カイ44.複雑。(50expressions-16)
    ユキ43.タシスンの犬。
    ナオ42.強い者が好きだ。
    カイ41.時事ネタも書きます。(パラレル)
    ナオ40.地図を広げて。
    カイ39.ぱぷぺぽ係、初仕事。
    ユキ38.どうして(50expressions-23)
    カイ37.まいったな(50expressions-29)
    ナオ36.任命。
    ユキ35.取引。
    カイ34.竜王の城にて。
    カイ33.お隠れになりました。
    ナオ32.ラダトームの城では。
    カイ31.ゆらゆら。
    ナオ30.無理してない?
    ユキ29.北へ行こうらんららん。
    カイ28.ドラゴンの角。
    ナオ27.砂漠を越えて。
    ユキ26.遠回りの理由。
    カイ25.内緒話。
    ユキ24.次の目的地はどこ?
    ナオ23.風の吹く塔。
    カイ22.呪文かぁ。
    ナオ21.サマルトリア魔法フェスタ。(パラレル)
    ナオ20.だってぎゅーだよ。
    カイ19.王女の威厳。
    ユキ18.ありがとう。
    ナオ17.ぼくがやらなきゃ。
    カイ16.調子が狂う。
    ナオ15.もっと強く。
    カイ14.ラーのかがみ?
    ナオ13.認めたくないけど。
    カイ12.何を見たとしても。
    ユキ11.きみ、ひとりなの?
    ナオ10.かわいいなぁ。
    カイ9.ムーンペタへ。
    ナオ8.ローラの門を通るぞ。
    ユキ7.兵士との出会い。
    ナオ6.銀のカギの洞窟。
    ユキ5.ここはどこだろう。
    ナオ4.いやーさがしましたよ。
    カイ3.ったく、どこほっつき歩いてるんだあのアホは。
    ナオ2.夜逃げのように出発。
    ユキ1.ムーンブルク陥落。

     

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    ラーのかがみ
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    未分類
    0.はじめまして
    ドラクエ2二次創作小説
    ラーのかがみにお越しいただき
    ありがとうございます。

    ただ今更新停滞中ですが
    そのうち続きを書くつもりでおりますので
    のんびりお待ちいただけるとありがたいです。


    このたび、長らくお世話になったFC2blogさんから
    お引越しをすることに決めました。

    新天地のURLはこちらです。
    http://spamotch.hotcom-land.com/wordpress/

    あちらでは真波と名乗っておりますが、私が運営しております。

    いまのところはまだ、こちらで公開していた記事しか掲載しておりませんが
    近々続きを更新すべく、ただ今作業をしているところです。
    ひとまず、お知らせでした。

    自分の中にある物語を早く公開して読んでいただけるようにがんばります。



    現在公開中の最新の記事はこちらです。
    90.声が聞こえる。

    古い記事より閲覧する仕様に変更しました。
    現在、1ページに10記事表示することにしております。
    次のページへのリンクはページ最下段にあります。
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    ムーンブルクの王女 ユキ
    1.ムーンブルク陥落。

    よく晴れた日だった。
    わたしはお父様と中庭でお茶を飲みながら
    お話をしていた。

    「王様!お逃げくださいっ!」
    突然兵士の声。少し遅れて地震がおこり、城全体がぐらぐらと揺れる。
    どーん、という轟音。城のみんなの悲鳴。
    一体何がおこったのだろう。

    中庭の入り口が向こう側から破られ、羽の生えた化け物がこっちに飛んできた。
    ぎらぎらとした目、耳まで裂けた口。
    震えが止まらない。どうしよう、どうしよう、どうしよう。
    わたしはお父様の後ろに隠れた。

    「さてはハーゴンの手のものか!」
    「クケケ、そのと~おり~。ロトの子孫を根絶やしにするのだ~♪」
    「そうはさせん!ユキ、お前は後ろの階段から逃げるのだ」

    後ろの階段から逃げるのだ。

    どんどん魔物が増えてくる。
    お父様は魔法で撃退していたけど、数が多すぎる。
    護衛の兵士もひとり残らずやられてしまった。
    「早く!早く行け!」
    わたしは促されるままに階段を駆け下りた。ひんやりとした地下の空気が体を包む。

    地下には見たこともない魔導士がいた。
    わたしに向けられる杖。その光に包まれ、わたしの意識は途絶えた。

    「ユキ…お前だけは生きてくれ…」
    これがムーンブルク王の最後の言葉だった…。
    サマルトリアの王子 ナオ
    2.夜逃げのように出発。

    さっきの父上の話…本当なのかな。
    ムーンブルクのお城が襲われたって。
    ハーゴンとか言う奴が世界を破滅させる気だって。
    信じられない。だってお城はこんなに平和なのに。
    大体さ、世界を破滅させちゃったらハーゴンどこに住むのさ。
    悪者の考えることって分かんないよね。

    ムーンブルク…きっと無事だよね。
    あそこの王様だってロトの子孫。
    すごい強力な魔法を使えるって聞いた。
    きっと魔物なんかあっという間にやっつけちゃうよ。

    父上は珍しくおっかない顔をしてこう言った。
    「ローレシアの王子カイがこちらに向かっている。まもなく着くだろう。
     お前はカイと共に旅に出てハーゴンを倒し、世界を救うのだ。
     お前はロトの子孫なのだから。」

    は?もう向かってる?ロトの子孫だから悪者を倒せだって?
    じゃあ父上とローレシアの王様とふたりでハーゴン倒しに行けばいいのに。
    …もう歳だから無理なのかなぁ…。

    ぼくは本当は行きたくなかったんだ。…さっきまでは。
    父上はこう続けた。
    「ムーンブルクのユキ王女…どうしてるだろうなぁ。
     確かお前と同じくらいの歳だったよなぁ。
     あれは将来きっと美人になるぞ~。…生きてれば、な。」
    え?王女?美人?まじすか父上!

    それまで王女と言ったらうちのうるさい妹のナミしか知らなかったぼく。
    あいつすぐ泣くしすぐ父上に告げ口するし。嫌になっちゃうよ。
    そうかぁ、美人かぁ。

    追い討ちをかけるように父上。
    「お前がかっこいいところ見せたら王女もお前にイチコロだぞ。」
    そうだね!そうだよね!
    ぼくロトの子孫だもん。魔法だって剣だって使えるもん。
    きっとうまく行くよね。

    そうと決めたらぐずぐずしてられない。
    城の人の噂によると、ローレシアの王子のカイはすごいカッコイイらしい。
    剣の達人だとか寡黙でクールだとか大人だとか、そんなことばっかり。
    そう言えば昔からすましてる奴だった気がする。
    やばい。そんな奴と一緒に行ったらぼく引き立て役じゃん。
    カイが来る前に城を出発しなきゃ。
    ぼくひとりでユキを助けてふたりで旅をしてふたりで力を合わせて
    ハーゴンを倒してユキはぼくにぞっこんなんだ。カイなんか知るか。

    ぼくはまだ暗いうちに夜逃げのように城を出発した。
    ローレシアの王子 カイ
    3.ったく、どこほっつき歩いてるんだあのアホは。

    ハーゴンを倒すためにはロトの子孫の力を合わせる必要がある。
    そう考えた俺の親父は、サマルトリアに行き、王子ナオと共に
    ムーンブルクの王女ユキを探すように命じた。

    まぁ常識で考えれば、王子だし城にいるだろ。
    そう思ってサマルトリアに行ったはいいのだが…。

    いねぇし。

    いねぇ。
    城の者に聞くと「昨日まではいたんですけどねぇ」との答え。
    王子がそう簡単にほいほいと外出していいものなのか?
    (自分を棚に上げて言うことでもないが)
    ナオには妹がいるとのことなので、妹の話も聞くことにした。

    おにいちゃんのおともだち?
    「おい」
    「あー、もの売りに来た人でしょー?買わないからー。いーだ。」
    …思いっきりしかめっ面をされた…。説明せねば。
    「…兄貴はどこだ」
    「しらない人になんかおしえないもーん。
     お顔だってこわいし。あなたおにいちゃんのおともだち?」
    「いや、ちがうと思う(とりあえずそんなに親しいわけでもないしな)」
    「じゃあおしえなーい。
     どこかでよりみちしてるかもなんておしえないもーん」
    「そうか…邪魔したな」
    …俺の顔は怖かったのか…ちょっとショックだ。

    ナオはどこかで寄り道してるかも、と言うことは分かった。
    王子なんだから城にいろよな、まったく。

    さて、どうするかな。置いていくわけにも行かないし。
    とりあえずこの国の習わしとして、旅に出る物は勇者の泉の水を浴びる必要がある。
    そこにナオがいるかどうかは微妙だが、俺も水を浴びなければ。

    そんなわけで、勇者の泉に着いた。

    ひとあしちがいであった。
    爺に水をかけてもらったついでに聞くと、ナオも少し前にここに来たらしい。
    あーなんだかすれ違いだな。もう少し待ってろよまったく。
    爺の話によると、ナオは俺を訪ねてローレシアの城に行ったらしい。
    しかたない。ローレシアに戻るか。

    「親父、ナオは来ていないか?」
    「ふはははは、何を寝ぼけたことを。来ておらんぞ。
     大体奴の親父が言うところの女好き王子が、男のお前を訪ねて
     わざわざ来るわけが無いだろう。」
    はぁ…それもそうだよな。
    「とりあえずサマルトリアに戻ってみたらどうだ?」
    面倒だが戻るか。ついでにあの妹の顔も見てこよう。かわいかったし。

    やっぱりいねぇし。

    「おにいちゃん?いないよ。」
    「…そうか」
    「おにいちゃんわたしを置いて旅に出ちゃったの。
     わたしがまほうできないからって。ひどいでしょ?
     だからもう知らないっ」
    「悪い兄貴だな」
    …魔法使えない奴を差別するなよナオ…泣けてくる。
    「でも、お顔はこわくないよ」
    「…それはよかったな」
    やっぱり怖がられてるのか俺…自信なくすよな。

    さてどうしたものか。
    勇者の泉にいない、サマルトリアにもローレシアにもいない。
    あのアホどこほっつき歩いてやがる。
    あと行っていない所は…町か。
    そう言えばサマルトリアとローレシアの間に町があったな。行ってみるか。

    いたよ。町の宿屋でくつろいでやがる。人がこれほど探したのにこいつはっ。
    とりあえず話しかけるか。殴りたいが。
    「おい」
    「あ、もしかしてあなたはローレシアのカイ王子では。いやーさがしましたよ」
    いやーさがしましたよ。
    …探したのはこっちだっ。
    「ふたりで力を合わせてユキ姫を助けてハーゴンを倒しましょう!」
    まあいいか。殴りたいがとりあえず見つかったし。
    疲れたからひと休みするぞ。
    サマルトリアの王子 ナオ
    4.いやーさがしましたよ。

    サマルトリアの城を出たぼくは、
    とりあえず勇者の泉に向かう事にした。
    途中スライムとかおおなめくじとかがおそってきたけど
    何回か殴るうちにやっつけることができた。
    ぼく、剣ってあまり得意じゃないんだよね。
    カイならこんな敵すぱっと一発なんだろうな。
    剣得意だって聞いたし。
    あーぼくも強くなりたいなぁ。

    昔っからすましてて黙っててとっつきにくい奴だったなーカイ。
    城の女中に言わせると、そこがクールでかっこいいらしいんだけど。
    あんな奴のどこがいいのかな。
    魔法も使えるぼくのほうがかっこいいと思うんだけどなー。

    ユキ…大丈夫かな。
    最後に会ったのは、もう何年前になるだろう。
    ぼくはその頃まで、妹くらいしか
    同世代の女の子と話したことはなかった。
    話してみて、あいつとは全然違ってた。
    もう、比べる時点で間違いだってくらいに違ってた。
    髪の毛だってふわふわしてて、目もくりっとしてた。
    肌は雪のように白かった。あ、だからユキって名前なのかな。
    太陽みたいに笑ってたっけ。
    なんかあまくていいにおいがしたっけな。

    そんなことを考えながら歩いているうちに勇者の泉にたどり着いた。
    ぼくって方向音痴だったのかな、あはは。
    この水浴びたら、ぼくもっと強くなるのかな。うん、きっとそうだ。
    変なおじいさん、ぼくにもっともっと水じゃんじゃんかけて!
    ぼく、もっと強くなりたいんだ。
    おじいさんに水をかけてもらったついでに聞いてみた。
    カイはまだ来てないらしい。
    ふふん、ぼくの方がやっぱりすばやいんだ。
    この調子でユキとふたり旅だ。
    わくわくしちゃうなー。

    次はどこに行けばいいんだろう。
    ムーンブルクは確か南にあったはずだから、
    南に行けばいいにちがいない。
    うーん、ぼくって頭いい。

    南に歩いていたら変なほこらを発見した。
    中に入ると兵士に通せんぼされた。
    ぼくは自分がサマルトリアの王子ナオであるということ
    これからムーンブルクに行くので
    ここを通してほしいということを伝えた。
    でも、答えは
    「ここはローラの門。ふたりそろってから来てください」の一点張り。
    だーかーらー。ふたりそろうために通るんだってば!
    早くしないとカイに追いつかれちゃうよ。
    ねーえー、通してってばー。

    とりあえずその場は退散。
    あとで兵士が寝静まった時、とか
    よそ見した時、とかに通ろう、と思ったんだけど…。
    あいつら、いつ寝てるの?全然スキがないよ?
    はぁぁ。
    これじゃユキに会えないよ…。
    とりあえず今日は疲れたから、リリザの町に戻って宿に泊まろう。

    リリザの町の宿屋で横になってうとうとしていたら、
    誰かに名前を呼ばれて目が覚めた。
    寝ぼけまなこでぼーっと見てみたら、何年ぶりかに会うカイだった。
    会いたくなかったのになー。ちぇっ。
    とりあえず
    「いやーさがしましたよー」とか言っておくか。
    探してたのはこいつじゃないけど。
    どうやらこいつがいないとローラの門通れないみたいだし。
    しかし、昔に輪をかけて無口だねこいつ。
    さっきからぼくの名前と「…行くぞ」しか言ってないよ。
    絶対こいつ、むっつりすけべに違いない。うん、きっとそうだ。
    でも、しかたない。こいつがいないとユキに会えないんだ。
    ユキのことを聞いたら、こいつの目がふっと陰った。どうしたんだろう。
    昔けんかでもしてて会いたくないとか?
    ともかくこれでローラの門を通れるぞ!
    待ってろよーユキ。ぼくがすぐに会いに行くからねー。
    ムーンブルクの王女 ユキ
    5.ここはどこだろう。

    まぶしい太陽の光で目が覚めた。
    まだ頭がぼーっとする。

    あの時…わたしは地下室に逃げて…
    待ち構えていた魔道師の杖から出る光を浴びた。
    その後のことが思い出せない。

    ここは…どこなのだろう?
    どうやら外みたいだけど…街?

    あれ?何か変。地面がいつもより近い。
    何で?わたし四つんばいになってる?
    とりあえず立ち上がらなきゃ、って。
    …できない。どうしちゃったんだろうわたし。

    お城はどうなったんだろう。お父様は無事なのだろうか。
    ふと周りを見回したら、子供と目が合った。
    かわいい、そう思って近づいたら、その子がいきなり泣きだして
    お母さんのもとに走って行ってしまった。
    どうして?

    とりあえずここがどこだか分からないと何も出来ない。
    近くにいた人に声をかけて尋ねてみよう。

    「ムーンブルクのお城はどこですか?」

    そう言ったつもりだった。でもわたしの口からはその言葉は出ず
    「わんわんっ」
    え?何で?しゃべれない!

    話しかけようとした人も走り去ってしまった。
    どうしよう、どうしよう。
    わたし、どうしちゃったの?

    あてもなく歩き回った。
    誰か、教えて。ここはどこなの?お城はどうなったの?
    しばらく歩き回っていたら喉が渇いた。
    いつもなら誰かに頼めば飲み物を持ってきてくれた。
    でも、今わたしの周りには誰も…誰もいないんだ。
    水…水が飲みたい。

    泉が目に入った。あの水は飲めるかな。
    とぼとぼと泉まで歩き、水を汲もうとした。
    あれ?手がうまく動かせない。
    どうしよう、飲めないよ。
    喉…乾いた…。

    誰も見てないよね。直接泉に口をつけて水を飲むことにした。
    お父様に見つかったらはしたないって怒られちゃう。
    ああ、冷たい。おいしい。

    水を飲み終わり、ふと泉を見た。
    泉に映っている犬と目が合った。
    え?犬?わたし?
    信じられない。
    「何で?」そう言ったつもりだったけど「わんっ」って聞こえた。
    泉の中の犬も同じように「わんっ」って口を開けた。
    信じられないけど、あの犬は…わたしだ。

    これからどうしよう。
    わたしずっと犬のままなのかな。
    お水は飲めるけど、ごはんとかどうすればいいんだろう。
    誰か…助けて…。

    涙があふれてきた。
    この手だと涙をぬぐうこともできない。
    目の前が滲んでいく。
    地面に涙の雫が落ちた。
    サマルトリアの王子 ナオ
    6.銀のカギの洞窟。

    リリザの町を出たぼくたちはローラの門に向かった。
    今度はふたりだから通してもらえるはず。
    もうすぐユキに会えるんだ!

    ん?カイがおじいさんとお話してる。
    早く行こうよ、ユキ待ってるよ。

    え?「ローレシアの南にあるほこらに行こう」って?
    やだよ、早くムーンブルク行こうよ。
    え?なに?
    「お年寄りの言うことは聞くもんだ」…あっそ。
    しかたないな、僕ひとりじゃここ通してもらえないし
    何があるかは知らないけど行ってみるか。
    ついでにカイの剣の腕前も見てやれ。お手並み拝見。

    …うわぁ、すごいや。
    カイ、めちゃめちゃ強い。
    スライムだってドラキーだって全然へっちゃらみたい。
    すごいや、かっこいいな。
    ぼくもあれくらい強かったらよかったのにな。

    しばらく歩いてほこらに着いた。
    ほこらにはさっきのおじいさんとそっくりなおじいさんがいた。
    兄弟なんだってさ。
    そのおじいさんが言うには、湖の洞窟に銀のカギがあるとか。
    銀のカギかぁ、世界中を旅するんだったらカギって必要だよね。
    取りに行こうか。
    …素朴な疑問なんだけど、家に銀のカギの扉つけてる人って
    どうやって開けてるのかなぁ。
    カギ持ってるなら僕たちに貸してほしいよ。

    それからずいぶん歩いて湖の洞窟に着いた。
    洞窟なだけあって、外より敵が強いみたいだ。
    さっきまで余裕見せてたカイも、ちょっと攻撃食らって擦り傷作ってる。
    道具袋から薬草を出そうとしてたから、「ちょっと待って」と止めて
    ホイミをかけてやった。
    あまり効果は大きくないけど、擦り傷くらいなら治せる、そう言ったら
    「…すごいな、魔法」そう言われた。
    魔法も剣も人には向き不向きがあるらしい。
    ぼくはどっちもそれなりに出来るけど、やっぱりカイには剣の腕ではかなわない。
    カイも魔法使えないみたいだけど、ひとりで旅してるわけじゃないから
    別にいいと思うんだ。

    洞窟の中をほとんど廻ってみたけど、カギらしきものは見当たらなかった。
    「…あっちに行ってみるぞ」
    カイが道の奥の暗がりを指差した。
    どうやら部屋みたいになってるようだ。中に入ったら小さな泉が涌いてて
    その横にカギが落ちてた。

    銀のカギだ。

    あった!銀のカギだ!
    カイに渡そうとしたら、「お前が持ってろ」だってさ。
    なくしそうで嫌なのかなぁ。
    まあいいや、しまっとこ。
    ムーンブルクの王女 ユキ
    7.兵士との出会い。

    わたしが犬の姿になってから数日が過ぎた。
    最近は町の人もわたしを怖がらなくなり、
    パンや水を分けてくれるようになった。
    最初は悲観してたんだけど、
    いつまでもくよくよしていても仕方がない。
    そう思えるようになったのは、街角でこんな噂を聞いたからだ。

     ローレシアの王子とサマルトリアの王子が
     ハーゴンを倒す旅に出たらしい。

    ローレシアの王子とサマルトリアの王子って…
    ずっと昔に会った事のあるふたりの王子をまぶたの裏に浮かべてみた。

    カイ…ぶっきらぼうで口数が少なかったわ。あれは絶対むっつりスケベね。
    ナオ…なんだか頼りなかったような気がするわ。あの時もべそかいてたし。

    でも。
    ふたりがハーゴンを倒す旅に出たのならきっと
    わたしのことも元の姿に戻してくれるはず。
    その時までがんばって待たなければ。

    わたしは心の中で拳を握り締めた。
    と、視界の片隅に見覚えのある兵士の顔が映った。
    彼…お城で見たことがあるような気がするわ。
    なんだか元気がないみたい。
    どうしたのかしら。行ってみよう。

    「くぅ~ん(どうしたの?)」
    「…ん?君は?」

    彼をじっと見つめてみる。
    何か語りたそうに見えるのはわたしの気のせい?
    「かわいいなぁ」

    やがてぽつぽつと彼は語りだした。
    近くの草むらに腰掛けた彼の横にわたしも座る。

    …聞いてくれるかい?
    君に話しても仕方がない事かもしれないけれど、
    もうわたしには話をする相手もいないんだよ。
    …わたしはムーンブルク城の兵士だったんだ。
    でも、もう兵士失格かもしれないな。
    あの日、魔物の襲撃を受け、炎上する城から
    わたしは、王様やユキ姫様を見捨て
    仲間たちのやられる声を背中に聞きながら
    逃げ出してしまったんだ。
    なんてわたしは卑怯者なんだ。
    今頃王様やユキ姫様は…。

    ぽたっ。
    彼の膝に雫が落ちた。
    ふと見上げると彼は涙をこぼしていた。

    「きゅ~(あなたのせいじゃないわ)」
    彼の手をぺろぺろと舐める。
    大丈夫よ、わたしは生きているわ。
    だからもう泣かないで。

    彼はただ静かにわたしの頭をなでる。
    きっと誰かに聞いて欲しかったのね。

    この姿のわたしはどうしてこんなに無力なのだろう。
    目の前で悲しむ人を見ても慰める事も出来ないなんて。
    人間に戻ったら彼に伝えたい。
    生きていてくれてありがとう。
    もう自分を責めるのはやめて。
    サマルトリアの王子 ナオ
    8.ローラの門を通るぞ。

    さて、カギも手に入れたし
    今度こそローラの門を通るぞ。
    いいよね?いいよね?
    「…あぁ」

    ローラの門を通るぞ。

    ふたり揃っていたから今度は兵士も
    すんなりと通してくれた。
    よかったよかった。
    先へ歩いていくと下に下りる階段があった。

    階段を下りていくと薄暗い洞窟に繋がっていた。
    やだなぁ、なんだかじめじめするや。
    お、右側に明かりが見えるぞ?
    この先にいくときっとムーンブルクに出るんだ。
    ぼくは思わず走り出していた。

    「まてっ!」
    後ろからカイがどなる声がした。

    するするっ
    いきなりぼくの足元から何かが這い上がってきた。
    「うわあぁ!」
    キングコブラだ。
    うわあぁ!
    2体のキングコブラがぼくの足に絡みつく。
    「ナオ、そこを動くな!」

    動くなったって…
    うわああ、腰のあたりまでのぼってきたっ。
    ちくっ
    げ、足首を噛まれたぞ。なんだかくらくらする。
    あれ…毒にかかっちゃったかな…
    なんだか気が遠く…

    足が立たなくなってしりもちをついてしまった。
    キングコブラはどんどんぼくの体をのぼってくる。
    二股に分かれた舌がちろちろと動くのが見える。

    「わああぁぁぁ!」
    ずばっ
    え?
    見るとコブラたちは全部真っ二つになっていた。
    カイが全部倒してくれたみたいだ。

    カイがすっと手を差し出した。
    その手を握ってやっと立ち上がる。
    「…大丈夫か?」
    「あ、うん…ありがとう」
    「…毒」
    「あ、ほんとだ。ちょっとまっててね。毒消し草あったっけかなぁ」
    「…覚えたって言ってなかったか?」
    「そうだった!すっかり忘れてた」

    赤黒い血が流れている足に手をあて精神を集中する。
    キアリー
    すぅっと毒が引き楽になる。

    「…さて」
    「ん?」
    ごんっ
    いきなり殴られたぞ。しかもグーで。痛ぁぁ。
    「な、なにすんだよっ」
    「馬鹿野郎。ひとりで先に行くからだ。危ないだろ」
    「…ごめん」

    結局さっきの明かりの先は離れ小島への出口、つまりハズレだった。
    残念。
    入口から長い通路をまっすぐ歩いてようやくぼくたちは
    ローラの門を抜けることができた。
    ローレシアの王子 カイ
    9.ムーンペタへ。

    ローラの門を抜けるとそこは広い平原だった。
    いきなり明るいところに出たから目がチカチカする。

    「ねぇねぇ、はやくいこうよー」
    …どうしてこいつはこんなに能天気なんだ。
    「ねぇカイ、ユキきれいになったかなぁ。
     子供の頃会ったっきりだけど、かわいかったなぁ。
     あーはやく会いたいー」
    「…興味ないな」
    「あ、そうなの?そっかぁ」
    …心なしか安心したように見えるが…何なんだこいつは。

    「ところでさぁ、カイ、ムーンブルクのお城って行ったことある?
     ぼくないんだよね。
     すっごいきれいなお城だって聞いたから、ぼく楽しみにしてたんだ。
     魔物に襲われたって聞いたけど、王様強いらしいし大丈夫だよね?」


    こいつ…ムーンブルク陥落の話、知らないのか?
    それなら今までの能天気さも頷ける。
    きっと、かわいい王女と遠足気分で旅をして、何となく悪者を倒して
    かっこいーとか言われたい、なんて思ってるんだろうな。はぁ。

    ショック受けるだろうな、壊滅した城の様子見たら。
    王女が無事かどうかも分からないし。
    さて、どうするかな。

    「あ、町が見えてきたよ。行ってみようよ」
    「…あぁ」

    とりあえずまだ言わなくてもいいか。
    不完全な情報でむやみに不安にさせることもない。

    そして俺たちはムーンペタの町に入った。
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